俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~


「…ゲロった。ゲロったな」



なずなは、ボソッと呟く。

唖然というよりも、もはや呆れてる様子なのか、顔が無になっている。

チベットスナギツネみたいな。

目、死にかけてる…。



「拓狼さん…こいつら、完璧ゲロってますけど」

『うーん。腸までゲロゲロ吐かせようか』



無線で恐ろしい会話をしてますが…。



『確かに、殺人罪の立件は難しいと思いますが…重要なポイント、ありますよ?』

「…え?」



すると、無線の向こうの綾小路室長はくすくす笑う。



『…田丸くん、死んでませんからね?』

「…あ」



そうだ。そうだった。



『…なーのーで。こんだけゲロってもらえれば十分ですよっ。それに我々の役目はその魔獣の回収と、田丸くんの体内の魔力との照合。ありったけゲロさせて、他は他に任せる。だから、ムキにならないで、ね?』

「………」

『…こら、なずな。返事』



法律や罪のことはよくわからないから、そこは綾小路室長の指示に従うとして。





(………)



…しかし、俺はさっきから。

とあることに不安がついて、離れない。