そう展開する想像力、半端ない。

ちゃんと根拠に基づいて考えてるのか?

綾小路室長のいうように、本当に酒とドラッグにやられてしまったんだろうか…。



「時に…」



笑いたい気持ちが収まったのだろうか。

なずなが、いつものように偉そうに腕を組んで話し出す。



「…時に、この魔獣は、どこから持ってきた」



VIPらにそう投げ掛ける。

魔獣の檻を見つめながら。



なずなが檻の傍に寄ると、魔獣はガタンと
鉄格子にぶつかりながら、なずなの方に顔を向ける。

奥にいる伊藤さんから離れた。



「………」



そして、その魔獣の目を…じっと見つめていた。




「どこから持ってきたって?…そんなの知るか。俺達がVIPに入った頃にはもういたんだ。先代のVIPから代々引き継がれているんだよ!」



ぶっきらぼうに話すのは、二年の一ノ瀬だ。

しかし、なずなはそれを聞いて、顔色を変える。



「何っ?!…引き継がれている?…魔獣をここで何年も飼ってるっていうのか?!」