敵と見なしてしまったからか、本日も口の悪さは切れ味抜群だ。
偉そうなのも、いいんだか悪いんだか。
そこで、綾小路室長から『名乗り出てよいです。僕たち踏み込むまでステイですよ』と指示が入った。
同時に猪狩の解放も促された。現場に踏み込んだ今、もうお役御免だ。
それで、俺は今、猪狩の腕の拘束を外している。ネクタイも返してやった。
しかし…猪狩はなぜか、仲間の元へは戻らず。
俺の傍で、俯いて立ち尽くしたままだった。
一方、高橋はなずなに『ヤンキー顔』と罵られ、眉間にシワを寄せて不服そうな表情を見せる。
「はぁ?随分生意気な女だな?」
「生意気?…生意気なのはそっちだろ?誰に向かってそんな口聞いてんだ。このヤンキー顔のボンボン」
「…おまえは誰だって聞いてんのは、こっちなんだよ!質問に答えろ!」
「ま、待って裕貴さん!」
なんと。二人を仲裁したのは…薫だ。
その薫は、なずなの顔を凝視して、難しい顔をしていた。
「あなた、伶士の…橘建設の陰陽師、でしょ…?」
そうだ。
なずなも冬に薫と顔を合わせている。
面割れるよな、そりゃ…。



