なずなが驚いている。
何に?…と、疑問に思い、再び魔獣の檻に目を向けてみた。
先ほどよりも、じっとよく観察しながら。
すると、またしてもガシャン!と音がする。
怪獣…いや、魔獣。今度は奥の角へと向いた。
「…やああぁぁっ!…助けてえぇぇっ!」
再び、体がビクッと震えてしまう。
どこからか響く、女性の痛ましい悲鳴が。
しかし、辺りを見回しても、悲鳴をあげている女性の姿はなく、首を傾げてしまう。
悲鳴、どこだ?
どこから聞こえ…!
だが、その所在はすぐにわかる。
それは…魔獣の檻の中!
(…あ、あぁっ!)
嘘だろ…?
まさか、こんなことをするだなんて…!
バカデカい檻の中にいる、バカデカいバケモノ…いえ、魔獣の陰に隠れていて見えてなかった。
魔獣がのっそりと動いた際に、その姿が現れる。
「や、いやっ、やだ、やめてっ!…来ないでぇぇっ!…助けてえぇぇっ!」
檻の角に踞り、恐怖のあまり、ガタガタと震えて。
泣き叫んで、悲鳴をあげている。
あれは…さっき、VIPやレディクラと一緒にいた、二年の伊藤さん?
あんなバケモノのいる檻の中に…入れて閉じ込めたのか?
…何てことを!



