俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~


「うっ、うぉあぁぁぁっ…」



身動き取れない状態の赤鬼ゴリラから、呻き声が聞こえてきたと思ったら、ゴホゴホッと咳き込んでいた。

しかし、その咳と共に、吐き出されたモノが…。



唾液に混じってびしょ濡れになった、黒い羽根の塊…。



…黒い羽根?

それって…!



「な、何で…」



短剣を向けたまま警戒を崩さずにいながらも、その表情には動揺が滲み出ている。

また、黒い羽根を吐き出す魔族…?



「…そういうことか」



そう言って、なずなは舌打ちする。



「…まさか、この件に絡んでんじゃないだろな…?」



手にしていた短剣を、手早く鞘に収め、懐にしまった。

表情に少しばかりの殺気を見せながら。



「謹請し奉る…禍者立ち還る世界への道を導き、禍界の紫なる門を開き給え。急急如律令…『開門』」



指で印を結び、そう口にすると、赤鬼ゴリラの傍にぐるぐると蠢く紫色のモヤが出現する。



これは、壱丸デパートの裏口倉庫の件でも見た。

確か…魔界、強制送還への道。



赤鬼ゴリラ、魔界へ強制送還される。