煙をすり抜けるように…ダメージはないのか?!
速いし!
「…猩々火炎!」
そう声を荒げて、デッキブラシを振りかぶる赤鬼ゴリラ。
だが…そのデッキブラシには、赤鬼ゴリラの肌の色のように紅く、生きているように揺れる炎が立ち込めていた。
まるで、ファイヤーダンスのパームトーチのような見てくれになってる。
そのまま踏み込んで飛び上がり、なずなの頭上に勢いをつけて振り下ろす。
「…かかったな?」
飛び上がる赤鬼ゴリラを見上げて、なずなはニヤッと笑う。
「…碧緑の恩寵・藤紫の御寝…」
「…何っ!」
赤鬼ゴリラ、気付いた時にはもう遅い。
なずなが、右足を音を鳴らして踏み込むと、そこから紫色の光が滲み出ていた。
「眠れ…」
地には、光で象られた、紫の蓮の花があっという間に描かれ…。
レーザーのような紫色の光は、いくつもの細い束となり、轟音あげて地を這ってから、宙にいる赤鬼ゴリラの方へ伸びるように向かっていった。
そして帯状へと姿を変え、赤鬼ゴリラを包み込む。
まるで、紫の花弁が標的を捉えるように。
「乱れ咲け…『睡蓮華』!」



