俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~


煙をすり抜けるように…ダメージはないのか?!

速いし!



「…猩々火炎!」



そう声を荒げて、デッキブラシを振りかぶる赤鬼ゴリラ。

だが…そのデッキブラシには、赤鬼ゴリラの肌の色のように紅く、生きているように揺れる炎が立ち込めていた。

まるで、ファイヤーダンスのパームトーチのような見てくれになってる。

そのまま踏み込んで飛び上がり、なずなの頭上に勢いをつけて振り下ろす。



「…かかったな?」



飛び上がる赤鬼ゴリラを見上げて、なずなはニヤッと笑う。



「…碧緑の恩寵・藤紫の御寝…」

「…何っ!」



赤鬼ゴリラ、気付いた時にはもう遅い。

なずなが、右足を音を鳴らして踏み込むと、そこから紫色の光が滲み出ていた。



「眠れ…」



地には、光で象られた、紫の蓮の花があっという間に描かれ…。



レーザーのような紫色の光は、いくつもの細い束となり、轟音あげて地を這ってから、宙にいる赤鬼ゴリラの方へ伸びるように向かっていった。

そして帯状へと姿を変え、赤鬼ゴリラを包み込む。

まるで、紫の花弁が標的を捉えるように。




「乱れ咲け…『睡蓮華』!」