だが…。
ワンっ!
ワンワンワンワンワンワンっ!
「…わっ!」
なずなを抱き留めているその上腕に何かが乗っかってきたと思ったら。
耳元で、やかましく吠え続けられ、体をビクッとさせて驚いてしまう。
不意に、犬コロっ…!
そして、散々吠えまくった犬コロは。
目の前にあった俺の左肩に、ガブッ!と噛み付く。
「…いいぃぃっ!」
これとない激痛、いだいぃぃっ!
意識よりも前に悲鳴が出てくる。
痛っ!
犬コロに…肩、咬まれた!
痛い…痛い痛い痛い痛いっ!
痛みが一瞬ではなく、続くのもそのはず。
この犬コロ、俺の左肩を咬んだまま離さない。
犬コロの小さな牙が、メリメリと俺の肩にめり込んでいる。
むしろ、ギリギリと咬みちぎる勢い…!
痛みに悶えた勢いで揺すっても、ただでは離れない!
…痛いっ!
犬歯、痛いぃぃっ!
「…は、離せっ!…い、いいぃぃっ!ぎゃあぁぁ!」
「よ、ヨーテリ、何やってんだ!離れろ!離れろ!伶士を咬むな!」



