俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~


俺の返答に反応して、固まっていた表情がみるみるうちに変わっていく。

大きい目は極限に見開き、口元は中途半端に開く。

ザ・驚愕。



「…え。え?えっ!…えぇっ!」

「『え』ばかりだな?おまえ。まさか、俺がやられっぱなしで黙ってるとでも思ったか?」

「えぇっ!」



ギアが上がったままなので、強気な発言で攻め込んでしまう。

強引意地悪お坊っちゃまだ。



「な、何だそれっ…あ、あれは…!そ、そのっ」



負けず嫌い女、負けじと反論しようとしてらしいが。

先ほどキスされてしまった俺と目が合うと、「ひっ!」と悲鳴をあげてパッと逸らされる。



何だなんだ、この立場逆転具合。

いつも大魔王のように偉そうにしているヤツが、今は俺の腕の中で小動物のように怯えて小さくなって。

いつもイジり倒されて、翻弄されまくっている俺が、強気とキスでヤツを困らせている。



この力関係、悪くない。



「ち、ちょっとっ…」

「黙ってろ」




でも、優位な立場を勝ち取っていても。

今一番、大好きな人を抱き留めて胸の中にきつく埋めているこの状態は、俺だって緊張する。

心臓の音、うるさい。

なずなにも、聞こえてんじゃねえかな…。



そんなことをも誤魔化すかのように、両腕に力を込めて、更に体を引き寄せる。