本当に、そっちの世界の話はよくわからないので。
この、式神がヨークシャーテリアとなってしまうことが、良しなのか悪しなのか、わからない。
なずなは顔を真っ赤にして、恥じているようだが。
どんな姿をしていようが、使い魔だから。
使い魔の仕事、ちゃんと出来れば良いんじゃなかろうか。
なずなは、尻尾フリフリで興奮しているヨークシャーテリアの式神に、小声で命を出す。
「…よし、ヨーテリ。向こうにある魔力の結界周辺を偵察してこい……わわっ!」
しかし、ヨーテリはなずなの命の途中で、ワンっ。と鳴きながら、ぴょんとなずなの膝の上に飛び乗る。
ハッハハッハと息遣いが荒いまま、なずなの膝の上でぴょんぴょん跳び跳ねていた。
すると、ヨーテリの鳴き声だけではなく、喋る言葉が頭に響いてくる。
犬が喋る?
もう、ちょっとやそっとのことでは驚かないぞ。
何たって、俺は陰陽師の助手…。
わーい。なずなちゃんだー。
遊んで遊んでー。
…あぁ、これは悪しだ。
飼い主…失礼、主の言うことを遮るなんざ。
おまえの技術が、才能が無いことを、この畜生が物語っている…。



