俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~


だけど、ギャル友の川村がサッカー部に加わったことで、ひょっとしたら。

なずなと会う機会もまた増えるんじゃないかなーと思ったりもして。

そんな淡い期待をしてしまう。



だなんて…。



あの手この手で接点をどうにか増やそうとする俺。

計算高。セコい。



でも…そんな他力本願だろうがすがりたいのには、理由がある。



それは、ここ最近の経過にあった。

先週の、沙羅先輩の件だ。




普段、大魔王のように偉そうにしていて、本当に強い。

強がり、意地っ張り、負けず嫌いで。

そんななずなが。




『…助けたかったぁ…』



魔界のNo.2である、あのラリキマ(…)魔族・雷帝を前に手も足も出ず、沙羅先輩を連れて行かれてしまい。

自分の無力さを嘆いて、泣いた。



…まあ、沙羅先輩が魔界でエロの猛威を奮って、こっちの世界に追い返されたことは、なずなには内緒の話だけど。



弱々しく涙を流してる、そんな姿を見て。

いたたまれなくて、何とかしてやりたくて。

思わず、抱き締めた。



…あの時、きっと俺は。



あぁ、こいつのことは。

俺が護らなきゃいけない。



そんなことまで、考えてたんじゃないかと思う。