俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~


これだけ光を発しているのに、斜め向かいのイチャラブカップルは、こっちに注目しない。

どんだけイチャイチャに集中してるのか、この光自体、他の人間には見えないのか。




そして…なずながパンと静かに手を合わせる。

その光は弾けるように輝きを放って、床に降りた。



…おぉっ。式神、参上するのか?



光が消え去り、その式神が姿を現す。

だが…。



(…ん?)



そこに舞い降りたのは…。



シルエットが小さい。

人間でもなければ、女子供の姿をもしていない。




ワンっ。ワンワンっ。




鳴き声が耳ではなく、なぜか頭に響いてきた。

この時点で、このリアル世界の住人でないことがわかる。

住人…いや、住犬?




ワンワンワンっ。




犬…。

犬だ。

しかも、小型犬。



茶色く毛足が長い。だいぶ長目でうっとおしそう。カットしてねえのか。

顔回りの長い毛足は、頭のてっぺんにちょこんと乗っかるように、ピンクのリボンで結んである。

そのもしゃもしゃな長目の毛足から、円らな瞳がうるうると光っており。

ワンっ。と鳴くその口からは小さい犬歯がチラッと見えていた。