無気力な一匹オオカミ男子に懐かれました。

先生の強引な提案に、蓮水くんも戸惑った顔をする。


「よかったなぁ、蓮水。あとでしっかりお礼言っとくんだぞー。それじゃ、できたプリントはあとで職員室持って来いよ。じゃあな」


そしてそれだけ言うと先生は、会議があるからなのか、さっさと教室を出て行ってしまった。


それを見てボソッと呟く蓮水くん。


「なんだよあれ、自分で居残りしろとか言ったくせに」


「ふふ、先生も忙しいんだよ。えっと、このプリントを解けばいいんだっけ?」


「うん。そう」


「じゃあ私、隣座るね」


そう言って蓮水くんの隣の席に腰掛ける。


すると蓮水くんが少し困ったような表情で謝ってきた。


「っていうか、なんかごめん。カンケーないのに朝比奈まで付き合わせて」


「あ、いや、大丈夫だよ。今日は私、暇だったし」


「えー、でも人の居残りに付き合うとか絶対ダルいだろ。帰りたかったら帰ってもいいよ、べつに」