無気力な一匹オオカミ男子に懐かれました。

どうやら先生につかまって説教されているらしい蓮水くん。


「マジっすか。でもまだ一学期っすよ」


「あのなぁ、一学期からそんな感じだから先生は心配してるんだろ。今日という今日は居残りしてもらうからな。このプリント三枚解き終わるまで帰るの禁止。わかったな」


「はぁっ? 三枚も?」


思わずそちらに目を向けてしまう。


蓮水くん、居残りなんだ……。


じゃあ戸締りはまだしないほうがいいのかな。


「でも俺こんなの一人でやれとか言われてもわかんねーっすよ。空欄ばっかでもいいの?」


「ダメに決まってるだろ! 教科書見ながらやりなさい。授業聞いてたら解ける問題だぞ」


「教科書見ながらとか、マジかよ。先生教えてくれるんじゃないの?」


「いや、もちろん教えたいのは山々なんだが、今日は今からちょっと職員会議があってだな……」


「えー、じゃあ今日じゃなくていいじゃん」


するとその時、たまたまこちらを向いた松丸先生とバッチリ目が合ってしまって。


「お、朝比奈。いいところにいた」