無気力な一匹オオカミ男子に懐かれました。

「ちょっと、なに今の！　蓮水くんどうしたの？　優しくない？」


するとそこで、隣にいた麻里ちゃんが驚いた顔で話しかけてきた。


「う、うん。なんだろう……。私もビックリした」


「花乃、いつから蓮水くんと仲良くなったの？　なんか今、昨日のお礼とか言ってたけど」


「あ、いや……あれはただ、昨日掃除の時間に蓮水くんがケガしたから、手当てをしてあげただけで。特に仲良くなったっていうわけじゃないよ」


「へぇー、そんなことがあったんだ。蓮水くんが女子に話しかけるのって珍しいからビックリしたよ～。意外と優しいところあるんだね」


「うん。私も昨日初めてまともに話したけど、蓮水くん、普通にいい人だと思う」


麻里ちゃんも驚いているみたいだけど、確かに私も蓮水くんは自分から女子に話しかけるイメージがなかったから驚いた。


今まではただのクラスメイトって感じだったのに、昨日の件をきっかけに、なんだか急に彼が身近な存在になったような気がするというか。


蓮水くんとこんなふうに話せるようになるとは思ってなかったから、ちょっと嬉しいかも……。


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