無気力な一匹オオカミ男子に懐かれました。

「う、うん。冷たくて、気持ちいいです……」


私がそう答えると、彼はフッと笑って。


「これ朝比奈にやるから、冷やせば? まだ開けてないやつだし」


「えっ……」


ウソ。いいの?


「で、でも悪いよっ。蓮水くん、喉乾いてるんじゃ……」


遠慮する私をよそに、蓮水くんは強引に私の手にそのペットボトルを握らせる。


「俺は水飲むから大丈夫。っていうか、昨日のお礼、みたいな」


「えっ、お礼?」


そしてサッとその場に立ち上がると、「お大事に」と一言告げて去っていった。


渡されたペットボトルを見つめながら、ちょっとだけ感激してしまった私。


お礼って……もしかして、昨日の手当てのことかな?


あんなの、別にお礼してもらうようなことじゃないのに。


まさか蓮水くんが私の心配をしてくれるなんて、意外すぎて……。


やっぱり蓮水くんって、すごく優しい人なのかも。