麻里ちゃんがそんな私のそばまでやって来て、顔を覗き込んでくる。


「ねぇ、ほんとに大丈夫なの?」


「あ、うん。全然大丈夫だよ」


「でも、おでこ赤くなってるけど」


「え、ウソ……!」


やだ、赤くなってるんだ。どうしよう。恥ずかしいなぁ。


――ピーッ!


そしたらその時、ちょうど試合終了の笛の音が鳴った。


試合結果は蓮水くんたちのいる男子Aチームの圧勝。


試合を終えた男子たちが、ぞろぞろとコートからはけていく。


そしたらその時突然、同じく今試合を終えたばかりの蓮水くんが、ペットボトルを片手にこちらに向かって歩いてくるのが見えて。


彼はなぜか私の目の前まで来て立ち止まると、声をかけてきた。


「見事な顔面キャッチだったじゃん」


「えっ!?」