ウルルであなたとシャンパンを


外国人って一緒くたにするのはちょっと違うんだろうけど、この言語外コミュニケーションの発達した国で育った人って、つつましい国民性の日本人よりも一枚どころか、三十枚くらい上手な気がする。

自然な気遣い、意味ありげな目つき、甘い言葉にナチュラルなボディタッチ……

強い意思を総動員して踏みとどまらないと、あっという間にベッドにひきずりこまれて朝……って流れが目に見えるようだ。

「あの、本っ当に申し訳ないとは思うんだけれど」
「うん?」
「私、昨日の記憶がないの」
「…………記憶がない?」
「そう、覚えてないの。ほとんど」

動きを止めたルカが、甘い空気を一瞬で消し、顎に手を当てた。


おお……これ、自分の意志で出したり引っ込めたりできるのか……すごいな。


変な所に感心する香耶をよそに、ルカはひどくがっかりした様子で、よろよろと窓際に置かれた椅子に腰を落とす。

「あー……」

初めて見る姿だけれど、どうやら、なんといっていいのか、言葉が見つからないらしい。

大きな大きな、ため息の後。

窓際に立ったままの香耶に考え深げな目を向け、ルカは静かに口を開く。

「それは……いつからいつまで?」