甘い恋には程遠い


一恋「大神くん、おはよう。」

慧「ああ、おはよう。」

一恋「じゃあ、私、先行くわ。
あ、桃花。あんた、スリッパくらい
履いた方がええで。
画鋲落ちてたら足に刺さるで。」

え?と思って足元を見たら
私は、確かにスリッパを履いてなかった。

一恋にどう謝ろうって事しか
考えてなくて、すっかり忘れてたみたいや。

てか、それなら、大神も
言うてくれたらええやん。

と思いながら、靴箱から
自分の分のスリッパを取って
大神をキッと睨んでから
一恋の事を追いかけた。