杏奈は瑠衣の胸の中で落ち着きを取り戻すと、その胸から離れて仕事に戻った。

瑠衣は自分の胸から離れた杏奈に何も言わず、社長の席に戻り医学書を開く。



いつものように仕事をしていても、それまでとは違っていた。

お互いの気持ちを確信しながらも、今はこの距離を近付けるわけにはいかない、

見えない壁を感じながら、二人は心の奥に熱いものをしまい込み仕事をしていた。