元カレ社長は元カノ秘書を一途に溺愛する

「社長のスーツご用意します。」
いざという時用に、挨拶へいけるようなシックなデザインのスーツも会社に常に置いてある瑠衣。
杏奈は取引先に瑠衣が向かうことになった時のためにとスーツの用意を始めた。

その時社長室の扉がノックされた。

「はい」
杏奈が扉を開けると製品開発部や製造課、営業部、各部署の関係社員が沈痛な面持ちで立っていた。
「社長がお待ちです」
そう言って社員を社長室へ入れると、杏奈は自分の机に戻り手帳を手にして、瑠衣の隣に立った。

必要なことをメモしながら話を聞き、必要なものや行うべきことのリストアップを始める。

各部署からの報告は製造課の機械に不備があり、医薬品の中でも患者の体に注入できるように薬品に注射針のような針がついた製品の針が外れてしまうという不備が起きたとのことだった。
すでにメンテンナンス部が機械の修理を行い現在は改善しているとのこと。