元カレ社長は元カノ秘書を一途に溺愛する

幸せな気持ちのまま山をおりた二人は、瑠衣の部屋に戻りシャワーをして着替えを済ませた。

それから今後の話をした。

瑠衣がただ結婚を申し込んで終わりではなく、ちゃんとこれからの近い未来について、考えていて、それを話してくれることで杏奈は安心できた。

瑠衣の母親の四十九日が終わるまでは瑠衣の父への正式な挨拶はしないこと、会社にも瑠衣の父に挨拶に行くと同時に発表すること。

杏奈の母もまだ四十九日が終わっていないため、杏奈の父にも四十九日が終わるタイミングで挨拶へ行くことを決めた。

「もっと早く俺が決断して、ちゃんとできてれば、杏奈のお母さんにも俺の母親にも、お互いを紹介できたのにな。ごめんな。」
辛そうな表情で言う瑠衣に杏奈は首を横に振った。

「もしかしたら、お母さんたちがくっつけてくれたのかも。悲観的になって、私・・・瑠衣を想っていても前に進んだらいけないって思ってたから。」