元カレ社長は元カノ秘書を一途に溺愛する

「離さない」
「・・・でも仕事」
「行かない」
「だめ」
「眠い」
「・・・」
寝不足にさせた責任を感じている杏奈を見て、瑠衣はふっと笑った。

「何でも自分のせいにする性格直せっていっただろ」
「・・・」
「あー起きたくない」
「起きて・・」
「杏奈がキスしてくれたら起きる」
「ばか」
瑠衣はそう言って目を閉じてしまった。

「瑠衣」
「・・・」
「もう、子供じゃないんだから」
「・・・」
困る杏奈。でも、瑠衣は目を開けない。寝たふりを決め込んでいる。