ヒールのままの杏奈。
それでも杏奈もいつしか笑顔になって、無邪気に階段を駆け上がっていた。
「きれー!」
携帯での口コミに出ていた階に着くと、あたりに色とりどりのライトが絨毯のように見える場所があった。
「気をつけろよ」
階段の手すりから身を乗り出す杏奈に瑠衣が声をかける。
「きれい!こんな場所あったなんて知らなかった。」
「だな」
「何年もここで生活してきたのに。」
「出かけたりしないのか?あんまり」
「うーん。仕事が忙しかったし、週末はお母さんの病院だったし。」
本当のことだ。
時間にもお金にも、余裕がなかった時もあった。
慣れない仕事に追われて、母の病気に不安になって何かにいつも追立られるように生きて来た杏奈。
それでも杏奈もいつしか笑顔になって、無邪気に階段を駆け上がっていた。
「きれー!」
携帯での口コミに出ていた階に着くと、あたりに色とりどりのライトが絨毯のように見える場所があった。
「気をつけろよ」
階段の手すりから身を乗り出す杏奈に瑠衣が声をかける。
「きれい!こんな場所あったなんて知らなかった。」
「だな」
「何年もここで生活してきたのに。」
「出かけたりしないのか?あんまり」
「うーん。仕事が忙しかったし、週末はお母さんの病院だったし。」
本当のことだ。
時間にもお金にも、余裕がなかった時もあった。
慣れない仕事に追われて、母の病気に不安になって何かにいつも追立られるように生きて来た杏奈。



