元カレ社長は元カノ秘書を一途に溺愛する

「よしっ!」
「ん?」
急に瑠衣が気合を入れたかと思うと、次の瞬間杏奈の体を抱きあげた。

「なにっ!?」
「行くぞ」
「え?」

瑠衣は杏奈を抱きあげたまま社長室の扉を開けた。

「おろして!」
急に冷静になる杏奈。

もしも誰かと会ってしまったらとんでもないことになる。
「おろしてください」
「だめ」
瑠衣は杏奈の言葉にも全く動じず、杏奈をおろそうとしない。
「重いから」
「バカ言え」
「おろして」
どうにかしておろしてもらおうとする杏奈。
でも瑠衣は聞き入れない。