元カレ社長は元カノ秘書を一途に溺愛する

杏奈はその胸に顔を埋めるようにして泣いた。


杏奈がずっと我慢していることになど、瑠衣はとっくに気が付いていた。

我慢して、無理している杏奈。

どう支えたらいいかわからないながらも、ただ一緒に食事をして、困っているときは杏奈を支えようと思っていた。



自分の胸の中で涙を流す杏奈に、瑠衣はやっと我慢せず涙を流してくれていることに、少しほっとした。

どんどんと心にたまっていたものを涙で流せたらいい。

背負っているものを涙と一緒に流して、自分に預ければいい。

そして、自分にもっと甘えて頼ってほしい。

そんなことを考えながら杏奈を抱きしめる瑠衣だった。