会社の近くの喫茶店で父と話をする杏奈の腕には、ぶかぶかの時計。
それは杏奈が瑠衣に言って借りたものだ。
瑠衣の存在を感じられる”何か”の存在だけで、杏奈は何十倍も強くなれるような気がした。
まだまだ父との時間は緊張する杏奈。
父と向かい合わせに座り、ぶかぶかの腕時計を反対の手で触れながら、うつむいていると父が話始めた。
「これ」
そう言って父が分厚い封筒を机に出す。
「なに?」
「治療費。だいぶかかっただろう。」
「・・・いらない・・・今更」
まだ心のどこかで父を完全に許せていない杏奈。
それは杏奈が瑠衣に言って借りたものだ。
瑠衣の存在を感じられる”何か”の存在だけで、杏奈は何十倍も強くなれるような気がした。
まだまだ父との時間は緊張する杏奈。
父と向かい合わせに座り、ぶかぶかの腕時計を反対の手で触れながら、うつむいていると父が話始めた。
「これ」
そう言って父が分厚い封筒を机に出す。
「なに?」
「治療費。だいぶかかっただろう。」
「・・・いらない・・・今更」
まだ心のどこかで父を完全に許せていない杏奈。



