元カレ社長は元カノ秘書を一途に溺愛する

「ごめんな。つらい時、そばにいてやれなくてごめん。ほんと、バカだよ、俺。今になって知るなんてさ。大バカ者だ。」
瑠衣の声は後悔で震えていた。


杏奈はそっと瑠衣の手を握った。

目に当てていた保冷剤がベッドに落ちる。

杏奈は体を起こし、涙でぐしゃぐしゃの顔をゆがめながら、瑠衣に両手を伸ばした。

すぐに瑠衣が杏奈の体を抱きしめる。

「瑠衣の気持ち、うれしかった・・・・」
「うん」
瑠衣に抱きしめられたまま杏奈は涙で言葉に詰まりながら話た。
「私も瑠衣を忘れたことなんてなかったんだから・・」
「あぁ」
瑠衣が杏奈の体を抱きしめる力を強める。