元カレ社長は元カノ秘書を一途に溺愛する

「どうして・・」
杏奈は瑠衣に抱きしめられて、それまでこらえていた想いが一気にあふれ出すのを我慢できなかった。


「・・・ふっ・・・」
声をあげて泣き出す杏奈を。
子供のように瑠衣にしがみつき泣き出す杏奈を。

瑠衣はただ強く強く抱きしめた。

言葉はない。

でも、杏奈には言葉など必要なかった。



ありのままでいられる場所。

杏奈のたった一つになってしまった居場所。

それは瑠衣の胸の中だった。