元カレ社長は元カノ秘書を一途に溺愛する

スーツ姿でネクタイを緩め、肩で息をしている・・・瑠衣だった。




瑠衣は杏奈の方へと駆け寄る。

「どうして・・・?」
まだ関西に出張しているはずだ。
会議は確か夜だった。
帰ってくるのはもっと後のはずだ。

「どうしてここに・・・」
言葉の途中で杏奈の体は瑠衣の胸の中に抱きしめられた。

「遅くなって、ごめんな」
耳元でささやかれるとぎれとぎれの言葉。

胸の鼓動を聞けばどれだけ急いでここに来てくれたのかが伝わる。