元カレ社長は元カノ秘書を一途に溺愛する

翌日の朝には病院の霊安室からすぐに手配した葬儀場に母の遺体はうつされた。

父と交代で一度家に帰り、支度を済ませて再び葬儀場に戻る。


杏奈にも父にも悲しみに打ちひしがれている時間などほとんどなかった。

やらなくてはならないことがたくさんある。

杏奈が喪主を務めることになり、通夜や葬儀の準備におわれた。
父は親戚や母の知り合いに連絡を取り母が亡くなったことを伝えた。

母が亡くなってからまだ一日しかたっていないのに、まるで母が息を引き取ったのが随分前のことだったように感じてしまう。

葬儀場の係と次々に準備を進めていき、やっと父と杏奈が座り休むことができたのは深夜になってからだった。