僕らの幸福理論。


「心和ちゃんごめんな。こんなおっさんと…」

そう言いながらタオルで私の唇を
拭き申し訳なさそうな顔をしていた。
私は嬉しかった。
伊都さんは違ったの?

「……」

「会うのやめるか…嫌だろ?」

「…………で……す…」

「ん?」

「そんなの嫌です」

「……俺の事嫌いになってない?」

「なりません…もうなれないです…」

「そうか。好きなの?俺の事」

「え?」

「好いてくれてる?」

「え、あ、はい。」