「これはこれは・・。意外なビッグネームが殺されてしまったんですね。」
「え・・・?」
僕と違って・・
豊川さんはその顔を見ただけで、何かを察したように関本主任へアイコンタクトを送る。
「間違いない・・。
【才谷ヒロシ】です・・。」
才谷ヒロシ・・・?
「星野君。」
「あ、はい。」
「あそこに立ってる被害者が視えますか?」
豊川さんが首をクイッと向けた先・・
・・・100mほど先の、
路地裏から大通りへ出る境のところに、
いつの間にか今目の前で横たわっている被害者が立っていた。
「はい、視えます。」
「彼に聞き込む前に、
彼について少しお話しておきます。
・・関本主任。
星野君には私から。」
「よろしくお願いします。
・・・星野。」
「はい・・。」
「今回の捜査はかなり辛いものになるかもしれない。覚悟しておけよ・・。」
関本主任のこんな表情を見るのは初めてだ・・。
一体・・この被害者は何者なんだ?
立ち話をしていては鑑識作業を続ける長くん達の邪魔になってしまうので、
豊川さんの後に続く形で一旦規制線の外まで出る。



