「・・星野君。」 「はい。」 「帰りますよ。」 「・・・いいんですか・・?」 「・・・。」 「言いたくないですけど、 逃亡を図られたり・・ まして自殺なんてされたら・・・。」 「大丈夫です。」 「・・・・・・・・・・。」 「この人は逃げません。」 「・・・・・・・・。」 豊川さんの眼差しに、 これ以上の議論は不要だった。 顔をくしゃくしゃにして、 嗚咽を漏らしながら“ありがとうございます”と見送る吉田さんに頭を下げて・・ 僕達は美容サロン“MAHO”をあとにした。