「・・・・・・。」


「すごく単純で、
すごく分かりやすい事を見落としてました。

杉内検事長にトモコさんを刺す事は出来ない。


ちょっと俺からしたら考えられないけど、

あの自称正義のヒーローさんは、自分の拳が折れるまで女性の顔面をド突いてた。

【バキバキに折れた手で、
包丁を握ることは出来ない】

杉内検事長がトモコさんを刺すのは不可能です。」


「・・・・・・・。」


「勿論、杉内検事長に痛めつけられ、トモコさんが虫の息だったのは間違いありません。

ですがトモコさんの致命傷はお腹の刺し傷。

“杉内に彼女を刺す力は無い”
“君が母親を刺すわけがない”

だったら残る可能性は一つです。」


「・・・・・・・。」


「聞かせてくれないかな?
あの夜、何があったのか。

あの雨中の犯行現場で何が起きたのか。」




「・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・。」