母を想えば



“ガチャリ”

「おがあざん・・・おがあざん!!」


ハルカ・・・ごめんね・・・
倒れちゃったみたい・・。


「ウゥゥ・・スッ・・ヒック・・。」


・・・・・・・・・・・・・・


「わだじのぜいだ・・!」


・・・え・・・・・・?


「わだじが・・!
お父ざんと話ざなぐなっだがら・・!

お父ざんのごど避けて・・
ずっど話ざながっだがら・・!

わだじのぜいで・・・!
ごめんなざい・・

ごめんなざいお母ざん・・!!!」


・・・・違うよハルカ・・・・

反抗期だってお父さんもちゃんと分かってたから・・。

お父さんいつも・・
ハルカの学校生活の事・・

お母さんに聞いてきて・・
いつも嬉しそうにしてたんだよ・・。


「じゃあなんで!?
なんでお父ざん死んじゃったの・・!?
なんで自殺なんがじだの・・!!?」



・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・



・・・・ねぇハヤト・・・・・

娘がこんなにも泣いてるんだから早く来てよ・・

早くドッキリの札を持って入ってきてよ・・


いつもみたいに私に怒鳴られて・・
ぎゃーーーって半べそかいてよ・・


・・一生許してやらないから・・

だから3人で手を繋いで帰って、
一緒にすき焼き食べようよ・・


ねぇ・・・ハヤ・・・・・・




「ハヤト・・?なんで・・・?

なんで・・・?

・・ねぇ・・・なんで・・・・?」






遠くなっていく気を、病室に響くハルカの叫び声が繋ぎ止める。


粉々に壊れそうになる気を、この胸に顔を埋めるハルカの嗚咽が繋ぎ止める。


母親なんだから娘をしっかりと受け止めて、

しっかりと抱きしめてあげなければいけないのに・・・


気がつけば、病室に漏れる嗚咽が1つ増えて、お互いを支え合うように、

病室内に響く時間と共に、
私達の声が枯れていった。