第8話



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<『完璧な計画。完璧な洗脳。完全なる悪。

私には一滴のミスも無かった。

だから辿り着いた時点で、
お見事としか言いようがありませんねぇ。

辿り着かれた時点で、
負けを認めざるを得ません。』>


<「それが控訴しなかった理由ですか・・?」>


<『ンンッ、尊敬に値します。

誰が私の存在を暴いたんでしょうねぇ。
どうやって暴いたんでしょうねぇ。』>


<「あなたが控訴しないとなると、
一審で出た“死刑”判決が確定しますが、

罪を受け入れるという事でしょうか?」>


<『ンンッ鈴木君でしたか?』>


<「は、はい。」>


<『絶対的な悪に勝つ為には絶対的な正義が立ち向かうしかありません。

ですが、悪に絶対はあっても、
正義に絶対はありません。』>


<「・・・・?」>


<『ンンッ・・・ンンッ・・。

私の存在を暴いた名も無き刑事に敬意を表して、

細かい事には目を瞑って素直に負けを認めましょう。

ですが、あなた方のほうから【勝ちを撤回】するのならそれもいい。

この私を葬る為、
最後まで徹底することができるのか・・

死刑執行の日まで見届けさせて貰いますよ?』>