第5話







<どっちから聞きたい?>


「杉内さんの方はサルに聞いたから、
満島さんの頼む。」


<詳しい住所は帰ってきてから見せるけど、静岡県内を転々としてた。

時期と照らし合わせると旦那さんの自殺後。

紙の上の情報だけでは事情が読み取れないけど、娘さんは置いて、

1人で出て行ったみたい。>


「こっちに移ってきたのって1年前ぐらい?」


<そうだね。あ、彼女が現在住んでたアパートの大家さんに連絡しておいたよ。

小西と向かってるんでしょ?>


「お前は相変わらず気が利くな。」



真田さんが持つスマホ。

スピーカー越しに聞こえる早苗さんの声を聞きながら、かなり古びたというか・・

築30年以上は経ってるのが見た目で分かるアパートに着いた。


「錦で一番の会員制高級クラブの人気ホステスが住んでる所とはとても思えないな。」


「ですね・・。」


“ミシミシ”と軋む音が聞こえる階段を昇って、

既に準備してくれていた大家さんに鍵を開けてもらって、

満島さんが生活していた201号室へと入る。