「すみません、ちょっと思い出した事があって・・。」
「話を続けても大丈夫ですか?」
「はい、お願いします。」
「・・・・あれ?
どこまで話しましたっけ?」
「え~っと・・
才谷の逮捕までこぎつけた所で、
もう一人の主犯格がいる事を豊川さん達が暴いて・・・って・・
まさかその主犯格が・・!?」
「当時、36歳。
少年院を20歳で出所し、その後10年にも及んだ保護観察処分を終えた後、
更生をしなかった悪魔が、
再び牙をむいた格好ですね・・。」
「灰原ジロウ・・・。」
「後から分かった事ですが、
才谷は“少年X”に強い憧れを持っていたようです。
よく、犯罪者やサイコパスといった類いの人種に惹かれてしまう、
“犯罪マニア”と呼ばれる層の存在を耳にしますが、才谷もその中の一人だったようで、
彼は崇拝する灰原の“駒”として、あの悪魔の共犯者と化してしまったようです。」
「それで・・捜査はどうなったんですか・・?」
「灰原は少年院及び保護観察中に、更生するどころか“知性”を手に入れたようで、
才谷を使って、憎たらしいほどうまく立ち回っていました。
県警の執念の捜査で、
“間違いなく灰原が犯行に加担している”という所までは詰められましたが、
どうしても【物的証拠】と、直接的な【状況証拠】が挙げられませんでした。
どうやら才谷を“捨て駒”にする所まで、
全て彼の計画だったようです。
同時に・・先に逮捕した才谷も、取り調べの中で口を割ることは絶対にありませんでした。
彼にとって灰原は神のような存在だったんでしょう。
“俺一人で全部やった”の一点張りでした。」
「・・・・・・・・・。」



