母を想えば



「ウキキキ。
島田刑事、久しぶりですなぁ。

いや確かご結婚されたから、
森本刑事とお呼びしたほうがいいかな?


今回の被害者が杉内検事長殿ということをお忘れか?

どこの馬の骨かも分からん女の凶刃にお倒れになって・・

さぞ杉内殿の無念さは計り知れない!

これは弔い合戦だ!

我々愛知県警の威信を賭けて、
この女を送検させてみせようぞ!!」


「いやいや!杉内検事長が被害者みたいな雰囲気で話してるけど、

まだ現段階、現場の状況的に、
どっちが殺意を持って犯行に臨・・。」


「も・り・も・と刑事!
所轄の君たちの意見は聞いていない。

君たちはさっさと情報だけ集めてこい。
あとは我々が判断して捜査を進める。

もちろん杉内殿、
そして検察殿の面目を保った上でなぁ?

・・・それでいいかな相島課長?」



「あ、はい。どうぞどうぞ。」


以前の上司、川辺課長だったら早苗さん同様に噛みついてくれたのに・・。

“事なかれ主義”の相島課長はニコニコ顔で、

秒殺で猿渡警部の言いなり第一号と化してしまう。


これは参ったな・・・。

真相を突き止めようにも、

あの様子じゃ杉内検事長に不利な事実が出たら見て見ぬフリをしそうな勢いだ。


東海地方を統べる検察のトップの死・・県警が捜査に乗り出して忖度を図る魂胆らしい。



「ウキキキ。
さぁ捜査会議は終わったんだろ?

さっさと聞き込みに走らんかムコウジマ署の諸君よぉ!」