それでも、今日はまだマシな方だ。



今日は外来ではなく、新しく担当する患者さんへの説明や資料作り。



あまり動かない仕事が多くて、正直助かる。



昼休み、ご飯を食べる気力が起きずに机に突っ伏していると、上から声がした。



「おい、大丈夫か?なんか顔赤いぞ?」



・・・この声は寺内先生だ。



自然と、顔に熱が集中する。



「寺内先生・・・。ありがとうございます。
 でも、大丈夫ですから・・・。」



「じゃあ、今熱測ってもいいよな?」



「それはダメです・・・。」



「ふっ、やっぱり体調悪いんだな。」



「すいません・・・。」



「大丈夫だ。仮眠室で寝たらどうだ?
 ここじゃしんどいだろ。」



「ありがとうございます・・・。」



とりあえず、仮眠室行こう。



そう思って立ち上がった瞬間、目眩がして、咄嗟に机に手をついた。



視界がぐらぐらと揺れて、動けない。



そのとき、ふわりと身体が持ち上がった。



朦朧とした意識の中で、『寝ていいぞ』と言う声が聞こえた気がした。