「西荻先生、次の患者さん呼びますね。」
「はい、お願いします。」
今日も外来は忙しい。
次から次に、患者さんがやってくる。
パソコンと睨めっこしていたからか、重たい目を無理やり開けて、軽く頬を叩く。
「次の方どうぞ〜。」
看護師さんの声に反応して、親子が診察室に入って来た。
「こんにちは。今日はどうしましたか?」
「子供が熱を出してしまって・・・」
「熱が38.5度ですか。ちょっと高くてしんどいと思うので、ベッドで寝てもらおうかな。
レンくん、ここに寝ていいよー。」
そう促すと、パタンとベッドに倒れ込む。
聴診器を胸に当てると、ビクッとなる。
冷たかったかな・・・。
まだ熱が上がるかも。
出すべき薬を考えながら、色々と診ていく。
喉の腫れはあまりないけど、鼻水が酷いのか息がしづらそうだ。
鼻風邪っぽいけど、インフルも流行る時期だから、一応検査した方がいいかな。
「レンくん、鼻にこれを入れて、インフルエンザの検査をしたいんだけど、いいかな?」
顔が歪むけど、こくんと頷いてくれた。