今、私たちは荷解きをしている。



今までは紘基の部屋に2人で住んでいたため、新しくマンションを借りて住むことにした。



今日は、その引っ越しの日だった。



クローゼットに置くものが入ったダンボールを開けると、中に私が知らないものがあった。



「紘基、これって何?」



ダンボールから出てきたのは、1冊の大きな本。



「ああ。これは、高校のときの卒業アルバムだな。」



「見てもいい?」



「大して面白くもないと思うけど・・・。」



「やっぱりこの頃からイケメンだね・・・懐かしいな。」



「え?俺たちって、会ったことある?」



「そうだよ。紘基は覚えてないかな。」



そう。10年ほど前、私たちは既に1度会っている。



私は、その頃から紘基に片想いをしていたんだ_______________