<千夏side> 「さよなら」 その言葉は自分なりのけじめだった。 凛斗先輩はどこまでも優しいから、どこまでもすがっていたくなる。 忘れたいと思って、嫌いになろうと思って、でもそう思えば思うほど好きが募った。 ナナさんと凛斗先輩が仲良さそうにしてるのをみるたび胸が痛んで。 応援してるとかそんなの強がりで。 何度だって逃げ出そうとした。 この部活をやめてもう2人には関わらないようにしようとした。