だからね、だから。 「咲良は、凛斗のそんな顔みたくないと思うな」 咲良はきっと死ぬ時まで凛斗のことを想っていただろう。 凛斗におめでとうと叫んでいただろう。 いうことのできなかった、おめでとうを。 「いなく、ならないよな・・・」 「うん。約束する」 2か月前、手をさしだしたように今度は小指を凛斗にさしだす。 「指切りげんまん、嘘ついたら針千本のーます、指切った」 どうか、どうかこの約束が、消えませんように。