──翌日。 「梅永(うめなが)君は今日も欠席かー」 ホームルームの点呼。 やっぱり隣の席を見ても、梅永君はいなかった。 梅永君の机の中が、プリントで溢れかえっている。 「あいつ卒業する気あるのか? このままだとまずいぞ……」 先生のどこか諦めたような声が、静かな教室に響く。 梅永君は高校1年生の時にスカウトされて、一応中退することなく在籍(ざいせき)しているらしいけど、卒業前に退学するんじゃないかって噂も聞こえている。