目黒くんが戻ってきた。

「目黒くん、大丈夫だった?」

「大丈夫だよ、ちゃんと社長に伝えてきた、つばさは俺が貰いますからって・・・」

「えっ?、私はそんなつもりで引越したんじゃないよ」

「つばさ、目を覚ませよ、社長はつばさが思っている様な気持ちはないよ」

「うそ?」

「うそじゃない、よろしく頼むって言われたから」

私は目の前が真っ暗になった様な気分だった。
どうしよう、待っててくれって言われたのに、大丈夫かって心配してくれたのに、黙って引っ越ししちゃって、しかも寄りによって目黒くんのマンションなんて、社長、怒っちゃったのかな?

社長に会えない、お弁当もいらないと言われてるし、どうやって社長の気持ち確かめたらいいの?

そんなモヤモヤした気持ちのまま、就業時刻になった。

「つばさ、一緒に帰ろう」

「あ、うん」

従業員出入口から二人で出ると、すぐ横に高級車が横付けされて、ドアが開くと、私は腕を引き寄せられて、一瞬の出来事で、何が何だかわからないまま、車に乗せられた。

私の横に乗って、私の腕を引き寄せたのは社長だった。

「社長、どうされたのですか」

「俺のマンションに向かってくれ」

社長は運転手にマンションに向かう様に指示をした。

「つばさが目黒と一緒に住むなんて、耐えられなかった、俺の部屋で一緒に暮らそう」

「でも、何かやる事があって、私はお邪魔なのでは・・・」

そこで社長は私の言葉を遮った。

「つばさが危険な目にあってる事知らなくて済まなかった、つばさは俺が守る、だから安心してくれ」

「社長!」

車の中でキスをした。