お前は俺のものだ〜俺様御曹司の強引な熱情

次の日の朝、私はマンションを出て、信号待ちをしていた。
次の瞬間、信号がまだ赤で車の往来が激しい道路に、私は後ろから突き飛ばされた。

一瞬の出来事にどうする事も出来ず、覚悟を決めた。

「つばさ！」

気づいた時、私は横断歩道の反対側に身体が投げ出されていた。
その時私を身を挺して守ってくれたのは目黒くんだった。

「つばさ、大丈夫？」

「目黒くん？私どうしちゃったの？」

「信号が赤なのに、急に飛び出すからびっくりしたよ」

私はその時の様子がゆっくりと蘇ってきた。

「信号待ちしてたら、急に後ろから突き飛ばされたの」

「気をつけた方がいいよ」

「目黒くん、ありがとう」

それから、私は何度も危険な目に合った。

上から植木鉢が落下してきたり、車に引かれそうになったり・・・
その度に助けてくれたのが目黒くんだった。

「目黒くん、いつもありがとう」

「平気、平気、でも、つばさ、命狙われてるんじゃないの？」

「えっ？変な事言わないで」

「だって偶然にしてはおかしいよ」

「うん」

私は心当たりがないのであまり気にしなかった。

次の日の休憩時間に、いつものようにお弁当を持っていくと社長の秘書の加藤さんがやってきた。

「ご苦労様です、お弁当は私が受け取ります、五分位したら、第三会議室に来てください」

「あのう、社長は？」

「とにかく指示通りにお願いします」

そう言って秘書の加藤さんはその場を後にした。