私はしばらく呆然としていた。
社長からあんな事言われるなんて、驚きすぎて頭が回っていない。

「つばさ、これでわかっただろう?社長はつばさを捨てた、もう関係ないってはっきり言っただろう?」

「うん」

「だから、俺と付き合おう」

「でも、どうして社長所有のマンションに引越しを?関係ないならそんな事しないよね、それにお弁当だって頼まないでしょ?」

「つばさは人が良すぎだよ、いきなり突き放したら鬼だろう?社長の立場もあるし・・・」

目黒くんにそう言われて、納得しかけたが、やっぱり納得行かなかった。

次の日お弁当を持って休憩室に行った。
少し待っていると、社長がやって来た。

「社長、あの、これを」

社長はゆっくりと顔を上げて私を見つめた。

次の瞬間社長は私の腕を掴み、社長室へ引っ張って行った。
何?何が起こったの?
社長は私を社長室に入れて鍵を閉めた。
そして、お弁当をローテーブルに置くと、私を引き寄せ「つばさ」と囁き、キスをした。

そのままソファに倒され、首筋から鎖骨へとキスの嵐を降らせた。

私は抵抗する事もなく受け入れた。
一瞬唇が離れて社長は私を見つめた。

「目黒と付き合うんじゃない、お前は俺のものだ」

そう言うとスカートの中に手を入れて、太腿から一番感じる部分に移動した。

「社長、駄目です、ここは会社ですよ」

「つばさが悪いんだ、目黒と一緒に俺の前に現れて、付き合うなんて報告しやがって、俺がどれ程我慢してたかわからないだろう」

社長の手の動きはエスカレートしていく。

その時社長室のドアがノックされた。
私は咄嗟に社長から離れて衣服の乱れを直し、別のドアから社長室を飛び出した。