「で、蒼の素直な感想は?」

「とにかく、2時間がこんなに短いと感じた事が初めてでした。ニュースの時、殆ど台本を見ていない事にも驚きでしたし、話す速さやトーンや強弱を変えている事に初めて気づきました。テレビの前で見ている時は、分かりやすいなと思っただけでしたが、視聴者に分かりやすく伝える工夫をされている事に驚きです」

「蒼、よく見てたな~それは長年の経験から試行錯誤してより良くしようと努力してる点だよ」

「僕も参考にさせていただいていいですか?」

「もちろんだ。自分がいいと思った物はどんどん吸収するべきだ」

「ありがとうございます」

「正直、アイドルと言うことしか知らなくて、初めて蒼本人と話をして良かった。仕事だと言っても、個々の思いや向き合い方にはこちらは口出し出来ないからな。蒼からは、この仕事への熱意が感じられたよ」

「こちらこそ、まだまだ未熟な僕が皆さんが長年作り上げてきた番組に参加出来るなんて光栄です。子供の頃からずっと憧れていた蓮さんの番組に出れるなんて夢みたいで」

「そう言ってもらえて、こちらこそ嬉しいよ。初日を楽しみにしてるよ」

蓮は、普段から自分に厳しく、その分やる気のない奴は、すぐに見抜き相手にしない。蒼の思いが本気だと伝わった初対面となった。