この恋シークレット   ~アイドルと運命の出逢いをしました~

葵が降りた後の車内。

「蒼を知らない若い子なんて、初めてだ」とマネージャー。頷く運転手。

「原田さん、彼女の電話番号教えて!」

「はぁ?お前は何を考えてる?アイドルだぞ。彼女がお前の事を知らないなんてラッキーだ。わざわざ連絡を取る必要ないだろう?」

「目が合った瞬間、感じたんだ。彼女だと。名前まで一緒なんて、運命だ」

「…。」命の恩人だからと言って、了承は出来ない。

「蒼さんもビショビショですが、どうします?」と運転手。

「この後、雑誌の取材まで時間があるから、一度蒼のマンションへ戻ろう」

そう、蒼のマンションは事故現場のすぐそば。

普段はマンションの前まで迎えに行くのだが、蒼がコンビニに寄りたいと言うので、事故現場の交差点で待ち合わせしていたのだ。

まさか、事故に巻き込まれるとは…。

怪我がなくて良かった…。